イジワルな君の一途で不器用な恋心

しかし、1体、また1体と現れて……。それも全員、がっちり体形の人型モンスター。


流し見していたので正確な数は覚えていないが、10体以上はいたと思う。



「名前の種類的に、推し以外だと踏んでる」

「ほぉ。確かに人名だもんな」



いくらなんでも特徴が一致しすぎている。何か理由があるのでは。


真っ先に思い浮かんだのは推しの存在。

厳つい外見から、推しのゴリラの名前を付けたのではないかと推測した。


だが……その場合、タクマの名前があるはず。

俺が間違える度にキツく訂正していたし、部屋に切り抜きを飾っていた。

それだけ愛が深いにも関わらず、1体もいなかったのだ。



「なるほど。それなら、身内か知り合い、友達に絞られるな」

「うん。だけど、なんで隠すのかがわからなくてさ」



ぐでんと机に突っ伏す。


仮に親戚だとして、俺は琳子の親戚は誰1人知らない。年齢や人数、住んでいる場所も。

知り合いや友達も同じ。

10年以上の付き合いだけど、お互いの交友関係を全て把握しているわけじゃない。
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