イジワルな君の一途で不器用な恋心
「余計なことを言わないか監視してるんだよ」
傍から見たら反感を持たれそうだが、俺からすると、たった1回でも致命傷になりうる。
とはいえ、呼ばれた時の屈辱感は誰よりも知っているので、大声では言わないようにしている。
「ふーん。でも、対して昔と変わってない気もするけどな」
「は? どこが」
「チキンなところ。何年も好きなのに全然告んねーじゃん」
グサッと胸のど真ん中に言葉の刃が刺さった。
「焦れったいなぁ」
「……っこ、告るよ! 卒業までには!」
反抗的な口調で答え、プイッとそっぽを向く。
告白は卒業するまでに。
再会当初から決めてはいたものの、なかなか勇気が出ず、気づけば残り1年を切ってしまった。
焦れったいと感じるのはわかるけども。
「また意地張っちゃって。怖いんだな」
「……当然だろ。それに、今の時期に伝えたって、余計混乱させるだけだし」