イジワルな君の一途で不器用な恋心
ざわつく胸の正体は
「5分⁉ 近っ! めちゃくちゃご近所さんじゃん。いくつなの?」
「同い年です。目黒先輩はそういう人に出会ったことありますか?」
「ないなー。同い年はあるけど、学区までは。同級生じゃあないんだ?」
「はい。最近引っ越してきたって言ってたので。なので、テスト終わった後、案内がてら遊ぶ約束しちゃいました」
週明け月曜日の朝。
バイト話に花を咲かせる2人の背中を眺めながら、学校へ足を運ぶ。
あの事件をきっかけに、私達はミワワちゃんと行動する頻度が増えた。
事件は解決しても、今後同じ被害に遭わないとは言い切れない。
学校生活に慣れるまでは、できる限り近くにいたほうが彼女も安心だろうから。
そう雷夜と話し合った結果、お互いに予定がある日を除いて、一緒に登下校するように。
「琳子先輩はどんなバイトやってみたいですか?」
信号待ち中、ミワワちゃんが振り向きながら尋ねてきた。