イジワルな君の一途で不器用な恋心
「そうだなぁ。雑貨屋さんとかカフェとか? 制服可愛いイメージがあるから憧れてるんだよね」
「わかります! エプロンとか帽子とか、楽しく働けそうですよね!」
「へー。愛犬命だから犬カフェかペットショップかと思った」
「あのねぇ……いくら好きでも、四六時中一緒にいたいとは限らないのよ。あんただってコンビニバイトじゃん」
「あははは。犬カフェといえば、今月私の地元にオープンしたんですよ」
「マジ⁉ どのへん?」
「駅の近くです。いとこがGWに行ったらしくて、小型犬と大型犬と一緒に写真撮ったって言ってました!」
「へぇ〜! だってよ琳子! 一緒に行かね?」
「いいよ。一段落ついたらね」
ガッツポーズで大げさに喜びを表現した雷夜。
そんな彼をミワワちゃんは微笑ましく見ている。
だいぶ、落ち着いたみたいね。
電車に乗っただけで表情がガッチガチで、無理して笑うことが多かった先月。
比べて今月は、笑顔も柔らかくなって、会話中のぎこちなさも減ってきてる気がする。