イジワルな君の一途で不器用な恋心

落雷に怯えていた同級生達を思い出す。


あれは食堂でお昼ご飯を食べていた時。

急に雨が降ってきて、アスレチック中止かなーって新菜と2人で話してたら、突然落ちたのよね。

食器もカタカタ揺れて、窓際の席にいた女の子達が悲鳴上げてたなぁ。


しばらく部屋で待機してたんだけど、収まる気配がなく、結局中止になって。

体育館で王様ドッジとじゃんけん大会をやったのは、悔しくも楽しい思い出である。



「あとは……恋バナ?」

「定番ですよね! 私も消灯時間が来るまで語り合いました!」



すかさず2年生の女の子が反応した。


ワントーン上がった声色ときらめく瞳。

やはりどの世代も、お泊りの夜といったら恋バナらしい。そして食いつきがいいらしい。


笑顔で聞いていた1年生の女の子達も、次第にニヤニヤし始めた。



「絶対盛り上がるやつじゃないですか〜! 何話したんですか?」

「好みのタイプ。他の人は◯◯くんが好きとか、彼氏の話とかだったんだけど、私は好きな人いなかったから」
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