イジワルな君の一途で不器用な恋心
あー、思い出したらまた腹立ってきた。3年生になって少しは落ち着くかと思ったのに。
「あらら。目黒くん、相変わらず辛口〜。そもそも、なんでコブラって呼ばれてるんだっけ。ヘビに似てるから?」
「うん。顔立ちと背丈が似てるんだって。コブラなのは気が強いからって言われた」
新菜に返答し、鼻で溜め息をつく。
逆三角形の輪郭にツリ目。平均より高い身長。
黙っていると怖そうなこの容姿のせいで、良くも悪くも幼少期から今まで注目を浴びてきた。
「私はヘビよりも猫に似てると思うなぁ」
「俺も。特徴的にシャム猫っぽいよね」
「それ! 昔はそう言われてたの!」
懐かしい単語が出てきて、瞬時に反応した。
『琳子ちゃん、この猫に似てるね』
小学校低学年の頃、図書室で一緒に図鑑を見てた時に、笑顔で指差してきて。
アニメのキャラクターに似てると言われたことは何度かあったけど、全部意地悪な性格の子ばかりだったからすごく嬉しかった。
なのに今では……。
「……私、そんなに性格キツく見える?」