駆け出しの恋
Ⅰ-first

『ちょっと・・・下ろしてっ!!』

隼美は車の中でわめいた。

『隼美さん、御両親の会社・・・いいんですか?』

『っ・・・・』

誠の声に隼美は黙る。

『・・・・・・誠さん・・・そんな人だったのね』

『私は貴女の為に言っただけです・・・』

皮肉に返る返答。

『ところで、式は来週の金曜日に予定し』

『!!?何の事?・・・私何も聞いてないわ!・・・』

車は高価な一軒家の前で止まる。

『悪いとは思いましたが・・・勝手に決めさせて頂きました。御両親の許可も頂いております。』

『・・・私は絶対・・・貴方のものにはならない・・・』

隼美は車を降り、立ち去った。

『・・・隼美さん・・・私はどうしても貴女がほしいんだ・・・・・』

誠は顔を歪めた。

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