俺はきっと、この出会いを恋と呼ぶのだろう。
変わらない日常

玄関を開けたら、今日はなんだか日差しが強かった。
昨日降った雪は、土の上にほんのり残っていた。

もうすぐ1年が過ぎる。

一向に馴染まない制服、あれだけ憧れていたのに、今は輝いて見えない。
自転車を走らせながら、横目で見る中学生。

今の自分を、どんなふうに見ているのだろう。
あの頃の俺は、この制服を着ている高校生が、輝いて大人に見えた。

あの時に見た高校生も、今の俺と変わらなかったのだろうか。
環境は確かに、変わったような気がする。

小さな頃から、僕はこの街にいる。
世の中は、どんどん新しい物が生まれては消えているのに、この街はどこか取り残されているようだ。

増えるのは、新しいシャッターだけ。
俺は、そんな街にいる誰でもないどこかの誰かだ。

そんな地元から、少しでも離れたいと電車で30分かかる高校に進学した。
それでも、退屈な日々は何も変わらなかった。

自転車置き場に自転車を置き、いつもの改札を抜ける。
いつの間にか、定位位置になった2両目の角の席に今日も座る。

毎日のように見た景色、ワクワクしながら電車に乗り込んだ日々は、もう思い出せなかった。
何も考えず、ただ流れていく景色を見て、憂鬱な時間だけが過ぎていく。
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