初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
「たーだいまー。 そこのスーパーで特売やってたから卵買って来たよー」

「イツナ、イツキ お帰り。 今日は早いのね、2人共、部活休み? 」

「ん、テスト前だから。 ね、それより、お客さん」

 双子の中学生の妹、イツナの後ろから、可愛い兄妹らしき二人の子が顔を出した。

「あ! ユウト! 」

「ナキの友達? 」

 自宅に続く入口から、宿題を終えたナキが顔を出した。

「うん。 ユウトとユウトの妹のトモちゃん。 ユウトっちの母ちゃん、帰ってくるの遅くて、いつも夕飯食べてないって言うから、うちで一緒に食べようって誘ったんだ」

「そう。 じゃあ、まごごろボックスからチケット出してね」

「ユウト、トモちゃんこっち。 このチケットを一枚貰って、カウンターに出すだけだよ。 シチューとカレーどっちにする? 」

 ナキがおいでと手招きをする。

「トモちゃん、チチュウ」

「ユウトは? 」

「……いい。 オレ、金持ってないから…… 」

 口をへの字に、俯いたユウトにナキが笑い掛ける。


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