初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました

「お金なんかいらないよ。　このチケットはここに来てくれたお客さんが、まごごろをお裾分けしてくれてるんだ。　だから、食べる時は「いただきます！！　」食べ終わったら、「ごちそうさま！！　」って、感謝するんだ。　で、後は、お店のお手伝いを、少しだけしてくれたら良いんだよ」

「まごごろ……？　」

　言葉の意味がわからないのか、ユウトは首を傾げる。

「真実の心ね。　んー、なんで言えばわかるかな……？　そうだな、ここでの意味としては、美味しいものを他の誰かにも食べて欲しいとか、優しい気持ちを感じて欲しい、独りじゃないよ、って応援する気持ちの事かな？　それをユウト君が受け取ったら、今すぐじゃなくて良いから、誰かに少しだけ、まごころを分けてくれたら嬉しいかな」

　私が伝えると、ユウト君は、大きく首を縦に振って、カレーを手に、満面の笑みを浮かべた。

「わかった。　オレもいつか、まごころを分けてあげれるようになる！　優しい気持ち、ありがとうございます。　いただきます！　」

「トモちゃんも、まごこりょ、あげゆー！　」

　二人の笑顔に釣られて、私もナキも笑顔になる。