素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
だからなにかと口実を作っては、私の方からシリルの元へと通った。
シリルはそんな私の気持ちなど、なにも知らないことも知っている。
それでも、少しでも会いたくて。声を聞きたくて……。
「王女殿下は、今年18になられるのですよね」
「ええ、そうよ。私も成人となるのですよ」
姉たちが他国へ嫁いだこともあり、私は国内の貴族と婚姻をというのが、父の希望だ。
シリルは爵位こそ、まだ継承していないものの、国境をまもる辺境伯の長男である。
ゆくゆくはその爵位を継ぐのだから、貴族という点では何ら問題はない。
なんて、少し急ぎすぎかしらと思わないこともない。
でも、それこそが私の一番の願いだ。
そうすればもう離れることも、こんなに自分の思いに胸を締め付けられることもなくなるから。
「わたしも歳を取るはずですね」
「私と、そんなには変わらないでしょ」
「いえいえ。わたしと王女殿下では、娘と父ほどの差がありますよ」