素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
「シリル?」
「……」
「どうか、したの?」
受け取った花を見つめていると、まるでそれを見て固まったようなシリルがいた。
私、そんなに変な顔でもしていたのかしら。
声をかけても、彼は一瞬、上の空だ。
「……ああ、いえ、すみません。では、わたしはこれで失礼します」
「?」
シリルは我に返ったようにこちらを向く。
そしてあたふたしたように、珍しく視線を合わせないまま、大股で来た道を戻って行った。
「メイ、シリル様はどうしたのかしら?」
「さぁ。ルチア様があまりに美しくて見とれていたんじゃないんですか」
「もう、メイったら。そんなこと言われても嬉しくなんてなくってよ」