素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
部屋を訪ねてきたのは、メイではなくシリルだった。
最近は、幼いころとは違い、部屋になど来てくれることはなかったというのに。
「ちょうど寝れなくて暇してたから、いいわ。こちらへ。今侍女を呼んで、お茶を入れさせますわ」
部屋に置かれたソファーを勧める。
「いえ。このままで」
そう言って、シリルは扉の前に立ち、座ろうとはしない。
真面目だというか、融通が利かないというか。
昔なら駄々をこねて大泣きをして、寝るまで側にいてもらうことも出来たのに。
シリルに近づきたくて、早く大人になりたかったのに、大人になったら、ままならないことの方が多いのを知った。
「いいから座って。そんなとこに立っているなら、話など聞かないから」
私がむくれると、シリルは観念したようにソファーへ腰かける。
私は少し考えた後、シリルの隣へ座った。