素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
「な、王女殿下」
「何かしら。ソファーはこれしかないのだから、いいでしょう」
隣に座るシリルの顔を見上げる。
驚いてはいるものの、少なくとも怒ってはいない。
立ち上がろうとするシリルの手を掴み、無言のまま行かないでと告げる。
今の私にできる、精一杯のアピールだ。
「……国王様から話は聞かれましたか?」
シリルは諦めたように大きなため息をつくと、私から視線を外し、真っすぐ前を見ながら話しだした。
話とはどれのことだろう。
先ほどはお兄様が結婚をしてという話はしたのだけれど。
その先の私の輿入れの件で、気を落としていたのをメイから聞いたのかもしれない。
それでなぐさめにでも来てくれたのならば、こんなに嬉しいことはない。
あくまで嬉しさを顔に出さないように、冷静を装う。
「ええ」