素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
そしてそのままベッドの横で布団に包まり、涙が枯れるまで泣いた。
どれだけの時間が経ったのか、窓の外は明るくなっている。
「ルチア様?」
短いノックの後、メイが入室してくる。
みっともない顔を見られたくなくて、ベッドに戻ろうとしたのだが、体が鉛のように重く動くことが出来ない。
「ルチア様! どうなさったのですか。誰かー、誰かすぐ来て!」
メイが慌てたように動けない私に近づき、私に触れた。
しかし、メイの方を向くことも声を出すことも出来ない。
まるで本当の石になってしまったみたいだと自嘲する。
でももうそれすらも気にならない私がいた。
いっそ石にでもなって、そのままこの心も体も固まってしまえばいいと思ったから。
メイの悲鳴にも似た声に、すぐ近くにいた衛兵たちが部屋へ入ってきた。
そして彼らの手によってベッドに横にさせられ、すぐに医師が呼ばれた。
大げさだなと、みんなの慌てる姿を私はただぼんやり眺めていた。