素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?
ゆっくりと目を開けると、そこには私が一番会いたくて、でも求めてはいけない人の顔がある。
どこか焦ったようなシリルの顔。
「私、都合の良い夢でも見ているのかしら」
「いいえ。むしろ、逆です。攫いに来ました、ルチア様。もう約束でもなく、ただあなたを渡したくない」
「やっぱり都合の良い夢だわ。私の知っているシリルは、いつだって私を子ども扱いして相手にはしてくれないのよ」
「違います」
シリルが大きく首を横に振る。
「あなたを助けて、あなたが側にいて欲しいと言われ、その約束さえあれば、永遠にルチア様の側にいれると思っていた。しかし、あなたはどんどん美しく成長していく。そして第一王女様たちが輿入れしていく姿にルチア様を重ねた。このまま今度は、ルチア様を自分が見送るのかと」
「……馬鹿ね。ホントに大嫌いよ」
そう、大好きよ。誰よりも。