素直になれないツンデレ王女はこわもて護衛騎士に恋をする。年の差20歳はダメですか?

 シリルの腕から降りると、そのまま木を背させてシリルを座らせた。

 何か止血するものをと考えても、荷物は全てあの馬車の中だ。

 ぐるぐると、シリルの周りを回って考えると、肩で息をしているシリスが笑った。

 こんな状況でも、こんなに傷ついても、笑える人なんだ……。

 そしてそんな笑顔が、私の心を落ち着かせる。

 ああ、本当にこの人は強い人なのだな。

 私が今彼に出来ることは何なのだろう。私のせいで怪我をしたのに、このまま見ているだけなんて絶対に嫌だ。


「そーだ」

「お、王女殿下、な、何をなさるのですか!」


 シリルの静止を聞かず、私はドレスの中に着ている下着を引き裂く。

 外のドレスは土埃や誰とも分からない血がついていたが、中に着ていたものはさすがに汚れてはいない。

 そして子どもの私の力でも、簡単にビリビリと破れていった。

 そしてその布を折りたたむと、シリルの頬に当てる。
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