おんなじがほしい
第二章
第一話
もう1学期も残りわずか。
私はお弁当を食べたあとの昼休みを、いつものようにイヤホンを耳にさして、音楽を聴きつつ過ごしている。
ただ、ぼんやりと。
ポンポンと、肩を軽くたたかれる。
顔を上げると、クラスの目立つグループに属する女子数人が立っていた。
イヤホンを外して、
「あの……?」
と、恐る恐る尋ねる。
女子達の中でも真ん中に立っている女子が、一歩前に出て私に近づいた。
前に西原くんにガムをねだっていた女子だった。
「今日の放課後ってヒマ?」
と、女子はニコニコして聞いてくる。
嫌な予感。
でも黙って頷く。
「良かったー。じゃあ、お願い聞いてくれる?掃除当番、代わってくんない?私、今日は掃除してらンなくて〜」
一応疑問系で話しているけれど、有無を言わさない威圧感みたいなものを彼女から感じた。
「あ、はい」
「ありがとう!えっと……」