おんなじがほしい
よくわからないまま、放課後を迎えた。
西原くんは教室に残っている。
「あれ?西原、帰んないの?」
クラスの男子が不思議そうに声をかけると、
「大事な用事があるから」
と、西原くんが答えていた。
心臓がドキドキしてくる。
『大事な用事』?
それってさっき言っていた、『放課後は集合だな』と関係があるの?
(どういうことなんだろう?)
考えている間に教室に残っているのは、私と西原くんだけになった。
「やっぱりな」
西原くんがそう言って、私に話しかけてくる。
「掃除当番の奴ら全員サボってるじゃん。田畑さんに頼んでいるところを見て、なんかヤな予感がしたんだよ」
立ち上がり、掃除用具入れに近づく西原くん。
「オレも手伝うから。ふたりでしたほうが早く終わるし」
「え、そんな……、申し訳ないです」
頼まれたのは私なのに、西原くんを巻き込んでしまった。