おんなじがほしい
「に、西原くん……」
「おぅ」
人気者、西原くん。
スラッと背が高くて。
凛々しい目が印象的な整った顔立ち。
短い黒髪はいつもオシャレにセットしていて。
みんなとおんなじ制服を着ているのに、西原くんだけとび抜けてステキな服を着ているように見えるから不思議。
そんなキラキラな人気者、西原くんと。
いつも教室のすみっこで気配を消している私なんかが。
か……、会話してい……る?
「あれ?他の奴らは?」
「え?」
「他の奴らだよ。田畑さんひとりが、掃除当番なわけないじゃん」
「……!!」
「な、何?何への驚きの表情なわけ!?」
「あ、あの……、まさかクラスの人に私の名前、覚えてもらえているなんて思ってもみなくて」
それもまさか、私とは遠い存在の、人気者の西原くんに。