イケメンを好きになってはイケません⁈
***

 翌朝。
 珍しく、先に起きたのは森下くん。
彼のキスで起こされた。

「おはよう」

 おはようと言いながら、わたしはのそのそ起き上がる。

 彼はスウェットパンツにシャツを羽織っただけの格好をしている。

 朝日が差し込む明るい部屋で、森下くんの、贅肉というものがまるでない、惚れ惚れする上半身を目の当たりにして……

 昨夜のあれこれの記憶が一瞬にして、脳裏に蘇ってきた。
 とたんにめちゃくちゃ恥ずかしくなってきて……

「わっ」

 わたしは大きな声をあげて、もう一度、布団に潜り込んだ。

 森下くんは明るい声で笑いながら言った。
「朝ごはん作ったから起きてよ。そろそろ起きないと会社に遅れるよ」

「えっ、作ってくれたの? 森下くんが」

 今は外は晴れてるみたいだけど、急に雷でも鳴り出すんじゃないかな⁉︎
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