イケメンを好きになってはイケません⁈
 わたしはペンダントを手にとって眺めた。

「ありがとう。とってもとってもとっても嬉しい。ずっとつけとくね」

 森下くんは微笑むと椅子から立ちあがり、こっちに回ってきた。

「つけてあげる」
 金具を留めてから、森下くんはわたしの椅子を引いて前に立つと、にっこり微笑んだ。
 そして、両手を伸ばしてきた。

 その手を掴み、立ち上がる。
 瞬間、強い力で抱きよせられた。

「実はさ……」
 そう言ってから、森下くんにしては珍しく言い淀んでいる。

「何?」

「まだ秘密にしておこうと思ってたんだけど、あー、やっぱ我慢できないや」

 そう言うと、彼は
「ほんとはさ、指輪を買おうと思ってたんだよ」と言った。

「だって、プロポーズにはやっぱ指輪でしょ。でも、このツバメ見つけちゃって。ふたつは予算的に……」

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