イケメンを好きになってはイケません⁈
 えっ? なんか、今、大変なこと聞いたような?

「今、プロポーズって言った?」

「うん。インドネシアから帰国したら真っ先に言おうって決めてたんだ」

 森下くんはわたしの背に回していた手にぎゅっと力を込めた。
 そして……急に真剣な口調になった。

「聡子さん、おれと結婚してください」
「森下くん……」

「って、指輪ないし、なんか間抜けだけど」

 彼はわたしから体を離すと照れ笑い。
 また頭を掻いてる。

 プロポーズ……
 わたしに……

 じわじわと実感が込み上げてきた。

 彼が帰ってから、わたしはずっと泣いてる気がする。
 でも……やっぱり、今も涙を抑えられなかった。

 結婚どころか、男の人と付き合うことすら一生無理って、ずっと思ってたのに。
 まさかプロポーズされるなんて……
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