イケメンを好きになってはイケません⁈
 発音が完全にネイティブ。

 あまりにも流暢で、内容は理解できなかったけど、お客さんが笑っていたところを見ると、ジョークも交えてリラックスした様子で話を進めているみたいだ。

 さすが、森下くん。
 海外取引に重用されるはずだ。

 オフィスでの普段の彼は末っ子的存在で、男女問わずに可愛がられているけれど、こうして堂々と外国人と渡り合っているところなんて、2年目とは思えないほど頼もしい。

 そういえば、彼、帰国子女だった。

 たしか、誰かがそんな話をしているのを聞いたことがある。

 そうだ。いるだけで周りを明るくするような、突き抜けた朗らかさは海外育ちの賜物かも。

 そう思うと納得できた。

 それにしても……
 また、森下くんの新たなすごい一面を知ってしまった。

 知れば知るほどため息が出る。

 どう考えても、わたしなんかに興味を持ってくれるような人じゃないんだけど。

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