イケメンを好きになってはイケません⁈
 わたしは立ち止まった。
 森下くんもつられて立ち止まる。

 彼の顔を見あげて、思い切って疑問をぶつけた。

「ねえ、なんでそんなこと訊くの?」

「なんでって?」
「か、からかってるんなら、やめてほしい」

 勇気をふりしぼってずっと心に思っていたことを口にした。
 
 
 その言葉を受けて、森下くんは急に真顔になって、わたしを見つめ返してきた。

 な、なに、どうしてそんな表情するの?

「からかうって、どうしてそう思うんですか?」

「えっ、だって、森下くん。わ、わたしのことなんか興味ないでしょう。だから……」

「からかってなんかないですよ。いろいろ知りたいんです。杉本さんのこと」

 いろいろって……
 思わず聞きかえしてしまう。

「知りたいって? な、なんで?」
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