イケメンを好きになってはイケません⁈
 一瞬のためらいの後、王子は頭の後ろに手をやり、照れくさそうな表情で言った。

「最近、気になって仕方がなくて。あなたのことが……」

 気になるって? わたしのことが?
 な、なんで???

 いきなりレベル10の破壊力で来ないでほしい。

 そんな潤んだ瞳で切なげに見つめられたら、ちょっと普通ではいられなくなる。

 ど、どうしよう。
 まともに頭が働かない。
 やばいこと、口走っちゃいそう。
 ここはひとまず、退散しなきゃ。

「杉本さん、おれさ……」

「あっ」
 森下くんの言葉を遮るように、わたしは大きな声を出した。

「どうしたの?」
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