イケメンを好きになってはイケません⁈
 それは先月の終わりごろ。  

 営業先からの帰り、会社の近くの本屋に立ち寄ったときのこと。

 目あての本を探していると、店先から聞きおぼえのある女性の声が聞こえてきた。

「すみません、はしごか脚立、貸りることってできます?」

 書棚の陰から見ると、思ったとおり、杉本さん。

 しかし……
 なんで、こんなとこで脚立?
 杉本さんと脚立?
 どう考えても結びつかないんだけど。

 がぜん好奇心がわいた。

 彼女が道端で脚立を使って何をするのか、むちゃくちゃ知りたくなった。
< 23 / 119 >

この作品をシェア

pagetop