イケメンを好きになってはイケません⁈
 えっ?
 って、杉本さんがひなを助けたってこと⁉︎
 わざわざ脚立まで借りて……

 信じられなかった。

 会社での彼女は、自分に関係ないことはまったく触れようとしないのに。

 本当に彼女なのかな?

 もしかして、双子のお姉さんか妹だったりして。

 いや、でも朝、オフィスで見かけたときと同じ格好だし。

 おれが見ていることにはまったく気づかず、彼女は、ゆっくりと脚立の天辺まで登って、ひなをそっと巣に戻した。

 そして降りてきてから巣を見上げて、満足げに微笑みを浮かべた。
「元気に大きくなってね」

 そう言って、手を振りながら、その場を後にした。
< 25 / 119 >

この作品をシェア

pagetop