イケメンを好きになってはイケません⁈
 すると、あの無表情の仮面を外したいという気持ちがむくむくと沸いてきた。

 ツバメに笑いかけたような顔で、おれにも微笑みかけてほしい。
 そう強く願うようになっていた。

 そうと決まれば、行動あるのみ。
 うじうじ考えているだけなんて、性に合わない。

 それにみんな見逃してるけど、実は彼女、なかなかの美人だし。

 だから、疎まれているだろうなと思ってたけど、姿を見つけては何かと彼女に話しかけた。

 彼女と親しくなるきっかけを掴みたくて。
 そして、おれにも本当の彼女を見せて欲しくて。

 でも、嫌われてるんだろうな。
 疎まれてるどころでなく。

 あんな風に騙し打ちみたいに逃げられたら、さすがのおれも傷つくよな。

 なんか、あの人を怒らせるようなこと、しちゃったのかな。
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