イケメンを好きになってはイケません⁈
 あっ、今朝のトラック。
 じゃあ、あれは森下くんの荷物だったってこと?

 えー⁉︎
「あのさ、あの、まさかとは思うけど……」
「何ですか?」
「知ってたの? わたしが住んでること」

 森下くんは一瞬きょとんとして、それから笑顔になった。

「知らなかったですよ、もちろん。今の今まで。あっ、もしかして、会社の近くの横田不動産の仲介? おれもあそこで。もう即決でしたよ。だって、会社まで地下鉄1本だし、立地の割には安かったし」

 わたしも同じ理由で選んだけど……

「これ、いいですよ。譲ります」
 森下くんはアイスを手に取ると、わたしのカゴに入れてくれた。

「いいよ。食べたかったんでしょう?」
「いいですって」
「でもわたしのほうが先輩だし」
「いやいや、そんなの関係ないでしょ。ほら、早くしないと溶けちゃうから」

「でも……」

 
< 36 / 119 >

この作品をシェア

pagetop