イケメンを好きになってはイケません⁈
「おはよう、杉本さん」

 今日もキラッキラの笑顔。
 眩しくて、目が潰れそう。

「あ、おはよう」
 わたしは努めて普通の声で返事をする。

 実は内心では、“特別警報級”の嵐のなかにいるみたい動揺しているのだけど。

 なんで、毎日、名指しで挨拶してくれるんだろう。
 
 わたしみたいな、なんの取り柄もないただの事務員に。

 無視してくれればいいのに。
 そのほうが、波風が立たなくてよっぽどいい。

「森下くん、なんで杉本さんなんかに…」
 そう言いたげな女子たちの矢のような視線が、背中に刺さって、毎朝、串刺し状態だ。
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