イケメンを好きになってはイケません⁈
 やっぱり明日、もう一度ちゃんとおれの気持ちを聞いてもらおう。
 そして、杉本さんの口から、ちゃんと断ってもらおう。

 このまま、うやむやのままではどうしても納得ができない。
 自分勝手な話かもしれないけど。


 翌朝。
 ほとんど眠れぬ夜を過ごして、いつもより1時間ほど早く家を出た。

 そして、マンションの前で杉本さんに声をかけた。

「杉本さん」
「えっ、森下くん?」

 驚いてる。
 だよな。
 遅刻常習犯のおれがこんな朝早くに顔を出したんだから。

「ごめん。驚かせて。昨日……彼氏に何にも言われなかった? おれが部屋にいたこと」

 杉本さんは硬い表情のままで「大丈夫。心配ないから」と言った。

「あの、良ければ今日仕事終わってから話せないかな」

「……うん。わたしもそうしたいと思ってた」

 彼女はそう言って、仕事終わりに駅前の喫茶店で会う約束してくれた。
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