イケメンを好きになってはイケません⁈
「さっき、ここでばったり会ったんだよ。あの人、おれのことを覚えてて。これを〝妹〟に渡しておいてほしいって頼まれた」
そう言って、紙袋を差しだした。
母の手作りクッキーを。
お菓子づくりが趣味の母は、同居している兄に、すぐ余った分をわたしに持っていくようにことづける。
兄の勤める大学はこのすぐ近くにあるので、ぶつぶつ言いながらも、仕事帰りに持ってきてくれるのだ。
「ねえ、おれが納得できるように訳を話してよ。そんなにおれが嫌いなの? 嘘までついて避けなきゃいけないぐらい」
彼はまっすぐわたしを見つめてくる。
「お願いだから聞かせて。じゃないとおれ……」
その瞳にはとても強い光が宿っていた。
まったく曇りのない、真剣そのものの眼差し。
そう言って、紙袋を差しだした。
母の手作りクッキーを。
お菓子づくりが趣味の母は、同居している兄に、すぐ余った分をわたしに持っていくようにことづける。
兄の勤める大学はこのすぐ近くにあるので、ぶつぶつ言いながらも、仕事帰りに持ってきてくれるのだ。
「ねえ、おれが納得できるように訳を話してよ。そんなにおれが嫌いなの? 嘘までついて避けなきゃいけないぐらい」
彼はまっすぐわたしを見つめてくる。
「お願いだから聞かせて。じゃないとおれ……」
その瞳にはとても強い光が宿っていた。
まったく曇りのない、真剣そのものの眼差し。