イケメンを好きになってはイケません⁈
第9章 花火に込めた祈り【聡子サイド】
「あっ……森下く……ん」
 長い口づけを交わしていると、外からドーンと音が響いた。

「何の音?」
 彼は少し驚いて、唇を離した。

「花火。河川敷で打ち上げてるの」
 彼はわたしの肩に手を回したまま、窓際まで連れて行き、外を眺めた。

「見えないのか、ここからじゃ」
「うん。毎年音だけ」
「花火ってたくさん上がるの?」
「うーん、1時間ぐらいは」

 森下くんはわたしの手を取って、弾むような声で言った。
「じゃあ、間に合うな。今から行こうよ」

 ああ、今、この笑顔を独り占めしてるんだ。

 まだ信じられない。
 この人と両想いだなんて。
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