イケメンを好きになってはイケません⁈
 もうお願いだから、わたしを特別扱いしないで。

 言外にそんな気持ちを込めたつもりだけど、この王子にはまったく通じず……

 チャームポイントのつぶらな瞳を一層真ん丸にして、感心した顔でわたしを見つめてくる。

 うわ、吸い込まれちゃうって……

「スゲえ。さすが、杉本さん。即答」

「ファイリングしたのがわたしなので」

「いや、それにしてもすごいですって。この営業部関連のファイル、全部把握してるって本当?」

「さすがに全部は……。書庫でホコリをかぶってるのもあるし」

「杉本さんに聞かずにひとりで探してたら、引き当てるまでにたぶん3日はかかってた」

「そんな……大袈裟な」

「いや、ほんとに。サンキュ。助かりました」
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