イケメンを好きになってはイケません⁈
 なんてことをしてしまったんだろう。
 彼の気持ちを受け入れてはいけなかったのに……

 この3日間、頭に浮かぶことと言えば、そのことだけだった。

 会社にいても、部屋にいても、彼が思い出されて胸が締めつけられて、苦しくて。

 彼の笑顔がずっと脳裏に浮かんで消えない。
 そういえば、不機嫌な顔をしているところなんて、一度も見たことがなかった。

 表向きは年下っぽっく甘えてくるのに、実際はおおらかな彼がいつでもわたしを優しく包み込んでくれていた。

『大丈夫、そんなジンクス、おれが嘘だって証明するよ』

 そう言ってくれたのに。
 森下くん……
 海斗……
 帰ってきて……お願い。
< 96 / 119 >

この作品をシェア

pagetop