イケメンを好きになってはイケません⁈
『では、事件があったときはどこにいらしたんですか』
 現地特派員と邦人男性が話している。

 髪は乱れまくって、顔も服も汚れたままの、見るも無残な有様だったけれど、そこに映っていたのは、たしかに森下くんその人だった。

「どういうこと?」
 みんな、口々に話し始めた。
 この映像が本当に現実のものなのか、そうやってお互いに確認しあっているように。

「話が聞こえないから。みんな、ちょっと黙って」

鈴木さんに言われ、一瞬で静寂が戻った。

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