溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
私が最初に,真理を見つけたら良かった。
なんて,そんな考えはきっと無意味。
そうなったって,私が自分から紹介して,もっと辛かったかもしれない。
どんな選択をしても,きっと千夏は真理のことを好きになるから。
よりにもよって,私とは正反対。
内向的で,だけど1度関わったら素直で優しい素敵な女の子。
私はそもそも,千夏の好みですらなかった。
あんなに良い子じゃ,文句も言えないんだもん。
ほんとに,どこまでいっても千夏はずるい。
納得するしか,ないじゃん。
このまま諦めないといけないの……?
「……はは」
「真香?」
ごめんお母さん,勝手にあげて良いか分かんないんだけど
「卵焼き,あるか分かんないよ」
「うっしゃい。あったら交換~!!!」
「はいはい,ほら,急ぐんでしょ?」
千夏が言うなら,いくらでもあげるよ。
だから……。