溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

クラスメートの関係性

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








すきって,言われた……何で?

好きなのって,言われた。

私が,凪の事を。

千夏くんは,優しくてつい甘えてしまう,そんな友達だった。

なのに,千夏くんは私の事を好きだと言う。

……どうして?

何か特別なことがあったわけでも無いのに,私なんかを……

だけどそんなことよりも。

今は逃げてきてしまった罪悪感で胸が引き裂かれそうな気持ちになる。

真香さんの,好きな人なのに……?

考えないようにしていた言葉が,じわりと胸を侵した。

どうしてずっと近くにいた真香さんじゃなくて,私なの……?

いつも明るい真香さんを思い出したとき,ちりっと頭に引っ掛かる。

真香さんに今の出来事を隠すとか言うとか,敢えて言うこともないとか,そんなんじゃなくて。

もしかして,真香さんは千夏くんがそう思ってること,知ってた?

振り返れば振り返るほど,そんな気がしてきて。

でも,そんな風にいくら考えても,私はもう聞いてしまったから。

もしか,しなくても……

私が自分から,何か動かなくちゃいけないんだろう。

でも,なんて?

逃げてきてしまったのに,どうやって切り出せばいいの?

そもそも何て言ったら良いのかなんて,どこでも教わってきていないのに……
< 134 / 196 >

この作品をシェア

pagetop