溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
バレー部の,真香さんと水上さんの友達だ。

あゆなさんと,あとは確か……

突然の事に戸惑う私を察して,水上さんは気まずそうな表情を浮かべた。



「あの,ごめん。あゆなと心優も一緒で……取り敢えずいい?」



取り敢えずと言うのは,行って貰ってもって事だろう。

私は,どんな顔をしたら良いのか分からないままその一団に近寄った。

森さんや堀さんと馴染んだらしい2人は,私を見ると揃って動きを止める。

何だか申し訳ないと思っていると,水上さんが私の手を引いた。



「あの,あのね,真理さん! あの時は,ちょっと……ほんとにごめん。私らピリピリし過ぎちゃって,八つ当たりにあんな……」

「あたしなんて,思いっきり睨み付けちゃったし……なんなら怒鳴ったし。ごめん,真香に言われるまでひどいことしたって自覚,全然なかった」

「わっわたしも……2人と言う通りだって思って……黙ってたけど,おんなじ。ごめんなさい……」
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