溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
"君"の好きなひと
美味しいデート
「なんか元気ない?」
そう凪が私を覗いたのは,課題も無くテストも遠いまったりとした休日の事。
「んーん,そうじゃないんだけど……」
ソファーに座っている私は,その後ろに立つ凪を大きく見上げた。
広く空いおでこの上に,凪の顔がある。
ゆっくり目をそらし,元通り座り直す私。
凪はそんな私を探ろうと,今度は余計に前のめりになった。
私は別に,元気がないわけじゃない。
考えることが多すぎて,疲れたなって思ってただけ。
千夏くんに告白されたこともそう,そのまま逃げて,はっきり断れてないこともそう。
気にしないでとは言われたけど……
本当にそんなことが出来るなら,私は千夏くんと友達になんてなれなかっただろう。
それに,凪のことだって気になりすぎる。
チラッて目を合わせるので精一杯。
恥ずかしくて,照れくさくて,バレるのは絶対に嫌で。
でも,そんなこと,凪に言えない。
だから