溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
私の周り,かるくなった?
そんな余所事を考えつつ,凪の質問にも悩まされ
「断る,前に,その,ちょっと色々あって……」
凪に嘘をつこうとしたことが無かったと,私は隠し事が苦手だと言うことに気がついた。
「ちゃんと,断ってね,真理」
「……凪ぎが…」
いるもん。
うっかり出てきそうになった,自意識過剰な本音。
いつまでいるかの保証は無いのに。
空気を飲み込む勢いで口をつぐむと,凪は空気を揺らした。
「まぁ,いっか。真理,じゃあ,今からデートしよっか」
「……へ」
「疲れてるなら,気晴らしに出掛けよう。それとも行かない? 僕の奢り」
私の答えは,もちろん。
「……いく」
私達は,日の高いうちから外へ出た。