溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
楽しそうに談笑とは行かないけれど,ポツポツと会話を交わしている。
凪はやっぱりフレンドリーな笑みを浮かべていた。
やっぱり,凪は変態だ。
こくりと頷く。
凪は……
私との登下校でも,いつだって隣で笑ってる。
夕食にだって,当たり前に座っているときもある。
私が食器を洗おうとしただけで,必ず止めてくる。
今年の誕生日も,プレゼントは朝一番に持って来た凪のが最初だった。
いつも私に優しくて,ひたすらに優しくて。
それは私がどう在ろうと関係ない。
そんなところがすごく気持ち悪い。
だから
やっぱり凪は変態なんだ。
弱音を吐くところなんて,見たことない。
その笑顔が崩れることなんて,1度もない。
水に浸けられた食器。
その一つの茶碗が傾いて,ピチョリと水が垂れた。
それを見て,ようやく戻ろうと動きだす。
と,私の前で食器を持って微笑む凪がいた。