溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
変な人だな…

クラスメートの千夏くん。

「……えーじゃあこれで決まり。外園さんも,余ったので良いのよね?」



朝1番の授業。

担任の少し高い声が響いた。

え…っ

私ははっと顔をあげて,黒板を見る。

しまった。ボーッとしてた。

今,なんのじか…

え!? 
嘘……

『前期かかり決め』

黒板の右端に,大きくそう書かれていた。

私は!? と急いで名前を探すと,担任はコツコツと私の名前を書く。

『文化委員女子 外園真理』

例年人気の高い役職だけ,最初に人数分くじを引いたらしかった。

私は思わず拒否しそうになって,思いとどまった。

多分皆納得の上でのくじ。

それを聞いていなかったなどと個人的な理由で覆せるわけがない。

諦めた私は脱力して,小さく担任に頷くと机にふせたのだった。
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