溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
ー凪sideー



放課後になり,いつも通り,でもいつもより急いで歩く。

声をかけてくる友達も,何もかもに返事だけ返しながら。



『凪,まだ…?』



真理がそんな風にLI⚪Eしてくるなんて,今まで無かった。

良いことか,悪いことか。

何かしらあったに違いないから,僕は急ぐ。

適当に靴を履いていつもの場所に向かうと,妙に浮かれた真理を見つける。

ーほっ…

悪いことじゃないことに,一先ず安心。

真理が浮かれるなんて,早々見れない。

真理は僕を見つけて,とびきりの笑顔を向ける。

…可愛い。

こんな不特定多数の場所で浮かべてほしくないほど。

僕はほんのり,だれも気づかない濃さで赤面した。

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