溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
文化祭まで後2日を切った日。

その,文化祭準備に当てられている5,6時間目。

ドラヌもんは,進んでいるにはいる。

中身も出来てきた。

だけど,このペースで終わるかと言うと,とても怪しい。

今だって…


「ねぇ,ドラヌもん班終わるの?」

「うーん,多分無理」



他班の子に聞かれてそう答えるのは,うちのメンバー。

他でもないメンバーにそう言わせてることに,すごく申し訳なくなる。

でも…



「もう,⚪⚪さんは~??」

「あっちでゲームしてる」

「じゃあ⚪⚪さんは?」

「えーと,どこだろう」



ここまできて,まだバラバラ。

直ぐ他の班員と話をしに行ったり,授業中なのにスマホゲーをしにいったり。

作業以前の問題で,頼みたいことは一向に進まない。

作業を助けてくれるのは,主に2人だけ。

手持ちぶさたになると直ぐにいなくなってしまうから。



「真理~!」
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