溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
「ちっ違うの。そうじゃなくて……じゃあ,千夏のことは?」

「千夏くん? 千夏くんは優しくていい人だと思う」

「それだけ…?」

「そうだよ?」



後は沢山良くして貰った分を返したいとか,かな。

真香さんが私の手を引いて,トスっと座る。

私の反応を伺うように目線を向けた真香さんは,周りに誰もいない中



「私,千夏が好きなの……聞いてくれる?」

「ぇ…いいの? 私で」

「うん。いいの」



最小限の音量で,私に告白をした。



「幼馴染み,なの。千夏とは。ずっと一緒だった。他にも幼馴染みはいるけど,千夏とはこれからも,そうがいい」




人の恋愛でもドキドキするものだって,初めて知った。

当てられて,うっかり恋に落ちそうな程真香さんは魅力的に映る。
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