桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
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昨日のことを思い出し、美桜の顔が火照った。そっと正悟さんに視線を移すと、眠っていた正悟さんが目を覚ました。
「おはよう。美桜」
キラキラと光を背負った正悟の姿に、両手で顔を覆い目を閉じた。
まっ……眩しい。
夜と違い、肌の質感や骨格がはっきりとし、その美しさに思わず見惚れてしまう。思わず「ほうっ」と溜め息に似た吐息が漏れる。
綺麗で格好良すぎる。
指の間から正悟をのぞき見ながら悶絶していると、徐に起き上がった正悟が美桜を抱き寄せた。
「美桜、身体は大丈夫か?」
そのイケメンボイス止めて、鼻血出そう。
美桜は顔を覆っていた手で鼻をつまんだ。
「もう無理……」
全身から湯気を出しそうなほど顔を赤くさせた美桜は、正悟の身体に自分の体重を預けた。
「クククっ……。美桜はホントに耳が弱いな。昨日もこうやって耳にキスをすると……」
そう言いながら、正悟が美桜の耳にキスをすると、美桜の身体がリップ音の音に合わせてピクッピクッと体を震わせた。
正悟さん止めてと声に出したいが、耳を愛撫され甘い声だけが漏れてしまう。
「あっ……っ……あぁ……やぁっ……」
「可愛い……美桜。君が欲しい」
えっ……こんな朝から?
そう思った所で今度は、正悟の厚い唇と舌が口内に滑る込んできた。そっと口腔内をなぞられ、歯列を確認しながら美桜の舌を追いかけてくる。二人の舌が絡み合い、熱い視線も絡み合う。
「でっ……でも、正悟さん仕事は大丈夫ですか?」
「今日は夜勤だから大丈夫だ」
そっと、正悟の手が下へ伸ばされ、美桜の太ももの間に触れた。
「俺を求めている……そうだろう?」
その声で言わないで……その通りだけど、そんなことは口が裂けても言えないよ。
唇が重ねられ、唇を軽くノックされる。口を開けと言われていることを理解し、そっと口を開くと正悟の舌が入って来た。その瞬間、背中がゾクリとしびれる。その甘美で、甘くしびれるようなキスは媚薬のようで、いつも私が扱っている薬とは、まったく違う。
それにしても、先ほどから下腹部の奥がズクズクと疼く。
そうなのだ。
私は正悟さんを求めている。
「正悟さん……お願い……」
現在、朝日が差し込んでくるような朝だというのに、美桜と正悟はお互いを求め合い愛し合った。
正悟さん大好き……。
美桜……愛してる。