桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。


 二人の会話に駅員から「おぉー-」と、喜びと安堵の声が漏れた。そこへ救急車のサイレンが聞こえてきた。すぐに救急隊が到着し、こちらに状況説明を求めてきた。正悟は一人の救急隊に状況を説明し、美桜はストレッチャーを持ってきた救急隊員と共に『1、2、3』のかけ声で、男性をストレッチャーに乗せた。全てが終わると救急隊員達に男性を任せる。

 きっとあの男性は大丈夫だろう。

 美桜と正悟は胸を撫で下ろした。

 二人の迅速な行動に、皆が拍手をくれた。もう美桜に対し、正悟と釣り合わないなどと言うような人はいなかった。息の合った二人の動きは、誰にもまねの出来ないものだったからだ。

「ありがとうございました。助かりました」

 駅員達も拍手をしてから頭を下げた。








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