桜舞う天使の羽~天才心臓外科医に心臓(ハート)を奪われました。
正悟の両親の名前は哲史(てつし)と亜美(あみ)さくらは時々ふざけて、二人のことをてっちゃん、あーちゃんと呼んでいた。哲史も亜美もさくらの心臓を移植されたレシピエントである美桜が来ることは、正悟から聞き知っていたが、いきなりさくらと同じ事を言う美桜に面食らった。しかし、すぐに顔をほころばせる。すると美桜が恥ずかしそうに、右耳に触れた。それはさくらの癖の一つ、亜美は思わず駆け出し美桜を抱きしめた。
「お帰りなさい」
「ただいま」
ただいまと口にして、やっと言えた……美桜はなぜかそう思った。さくらさんがそう言わせたのかもしれない。美桜はそれで良いと思った。正悟の両親がとてもうれしそうに笑っていたから……。